LASデータの点密度を評価する
【2022/5/31】
PC-MAPPINGでは、点群データの標準フォーマットであるLASの関連機能を順次追加しています。
PC-MAPPINGでは、点群データの標準フォーマットであるLASの関連機能を順次追加しています。
PCM8.018 (2021/3/30 更新) |
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PCM8.019 (2021/5/6 更新) |
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PCM8.021 (2021/9/8 更新) |
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LASとは?
ASPRS(The American society for Photogrammetry and Remote Sensing:アメリカ写真測量・リモートセンシング協議会)が定義する、LIDAR(Light Detection and Ranging:レーザー検出および測距)により計測された点群データの標準フォーマットです。
LASは点群データの相互交換に適したバイナリ形式のオープンフォーマットで、点群データの業界標準としてPC-MAPPINGをはじめとする様々なGISソフトの間で広く利用されています。
詳しくはこちら
ASPRS(The American society for Photogrammetry and Remote Sensing:アメリカ写真測量・リモートセンシング協議会)が定義する、LIDAR(Light Detection and Ranging:レーザー検出および測距)により計測された点群データの標準フォーマットです。
LASは点群データの相互交換に適したバイナリ形式のオープンフォーマットで、点群データの業界標準としてPC-MAPPINGをはじめとする様々なGISソフトの間で広く利用されています。
詳しくはこちら
2022年2月18日更新のPCM8.024では、新たに[ポイント群の密度評価]機能を追加しました。
この機能はLASに限らずPC-MAPPINGに取り込んだポイントデータに対して有効ですが、ASPRSの「LIDAR DENSITY AND SPACING SPECIFICATION」に準拠しており、LASの点密度を評価する指標としての活用が期待されます。
今回は、「LIDAR DENSITY AND SPACING SPECIFICATION」に示されている点密度の評価に利用される指標と、PC-MAPPINGの[ポイント群の密度評価]機能を利用した点密度の評価の流れについてお知らせします。
この機能はLASに限らずPC-MAPPINGに取り込んだポイントデータに対して有効ですが、ASPRSの「LIDAR DENSITY AND SPACING SPECIFICATION」に準拠しており、LASの点密度を評価する指標としての活用が期待されます。
今回は、「LIDAR DENSITY AND SPACING SPECIFICATION」に示されている点密度の評価に利用される指標と、PC-MAPPINGの[ポイント群の密度評価]機能を利用した点密度の評価の流れについてお知らせします。
点密度の評価に利用される指標
「LIDAR DENSITY AND SPACING SPECIFICATION」では、ポイントデータの密度評価について、下記の指標が示されています。
① 点間隔(Spacing)
点間隔は、ある点とその周辺の点との間隔を定量的に表す指標です。
事前準備として、点間隔を求めたいポイントデータ群に対してTIN(Triangulated Irregular Network: 不規則三角形網…点の集合を線分でつなぎ、三角形の頂点となるようにしたもの)を生成します。
事前準備として、点間隔を求めたいポイントデータ群に対してTIN(Triangulated Irregular Network: 不規則三角形網…点の集合を線分でつなぎ、三角形の頂点となるようにしたもの)を生成します。
ある点を中心に見ると、その点から周辺の点は三角形の辺で結ばれています。
それらの辺の長さの平均を取ったものが点間隔と定義されます。
それらの辺の長さの平均を取ったものが点間隔と定義されます。
点間隔
右の画像の場合、点間隔は
(1.314+2.050+2.027+1.237+0.888+1.011) / 6
=8.527 / 6
=1.421
となります。
(1.314+2.050+2.027+1.237+0.888+1.011) / 6
=8.527 / 6
=1.421
となります。
②点密度(Density)
ボロノイ図
点密度は、ポイントデータがどれくらい密集しているのかを表す指標です。
こちらも事前準備として、点間隔を求めたいポイントデータ群をもとにボロノイ図(ポイントが存在する平面を、どのポイントに一番近いかによって領域分割して出来る図)を作成します。
こちらも事前準備として、点間隔を求めたいポイントデータ群をもとにボロノイ図(ポイントが存在する平面を、どのポイントに一番近いかによって領域分割して出来る図)を作成します。
点密度計算
点密度は、分割された領域ごとに、その領域の面積の逆数になります。
たとえば、領域の面積が1.683の場合、その逆数をとって
1 / 1.683 ≒ 0.594となります。
たとえば、領域の面積が1.683の場合、その逆数をとって
1 / 1.683 ≒ 0.594となります。
PC-MAPPINGで点密度の評価を行う
点間隔、点密度の算出
ポイントデータに対して「LIDAR DENSITY AND SPACING SPECIFICATION」に準拠した方法で点間隔、点密度を算出し
ます。
ます。
①LASデータファイルをポイントデータとしてインポートします。
詳細はこちら(「PC-MAPPINGで点群データを使ってみよう」の項を参照)
詳細はこちら(「PC-MAPPINGで点群データを使ってみよう」の項を参照)
3Dビュー
(G空間情報センター「VIRTUAL SHIZUOKA 静岡県 富士山南東部・伊豆東部 点群データ」より)
②評価の対象となるポリゴンレイヤー(DM図郭ポリゴン、
標準地域メッシュポリゴン等)を用意します。
インポートされたポイントデータの全てが対象となる
場合、[インポート]-[点群・TINデータ]-[LAS
データを部分的に抽出してポイントデータに変換(LAS
データサンプリング)]の下記オプション
が利用できます。
標準地域メッシュポリゴン等)を用意します。
インポートされたポイントデータの全てが対象となる
場合、[インポート]-[点群・TINデータ]-[LAS
データを部分的に抽出してポイントデータに変換(LAS
データサンプリング)]の下記オプション
が利用できます。
- ヘッダー情報から得られる図郭情報を基に矩形ポリゴンを生成し、属性としてヘッダー情報を格納する
- 取り込まれた点群データから、その存在範囲ポリゴンを生成し、属性としてヘッダー情報を格納する
[LASファイルデータサンプル取り込み]ダイアログボックス
評価対象ポリゴン
今回は簡便のため任意に作成したポリゴンを利用します。
項目 | 説明 |
ポリゴンレイヤー | 評価の対象となるポリゴンレイヤーを指定します。 |
ポイントレイヤー | 評価の対象となるポイントレイヤーを指定します。 |
(中間利用した) TINレイヤーを残す |
チェックを入れると、処理処理後、点間隔を算出する際に中間データとして作成されたTINレイヤーを現在のプロジェクトに登録します。 |
(中間利用した) ボロノイ分割レイヤーを残す |
チェックを入れると、処理後、点密度を算出する際に中間データとして作成されたボロノイ分割レイヤーを現在のプロジェクトに登録します。 |
処理が終了すると、算出された点間隔(SortSpacing)及び点密度(SortDensity)の中央値、σ(68%)区間、2σ(95%)区間、3σ(99.7%)区間を示すメッセージウィンドウが表示されます。
算出結果メッセージボックス
更に、点間隔、点密度を昇順にソートしたデータベース「SortSpacing」「SortDensity」が作成されます。
点間隔のデータは「@LEN」フィールド、点密度のデータは「@DENSITY」に格納されます。
点間隔のデータは「@LEN」フィールド、点密度のデータは「@DENSITY」に格納されます。
ヒストグラムの作成
このデータベースをもとに、[データベース]-[編集]-[演算・集計]-[ヒストグラムの生成]を利用して、算出した点間隔、点密度データからヒストグラムを作成します。
①生成されたデータベース(「SortSpacing」または
「SortDensity」)がアクティブの状態で、[データ
ベース]-[編集]-[演算・集計]-[ヒストグラムの
生成]を実行します。
今回はキーフィールドは使用せず、「対象フィールド」を
「@LEN」(点間隔)、最小値・最大値を適値算出し、
10階級に分割する設定で【OK】をクリックします。
「SortDensity」)がアクティブの状態で、[データ
ベース]-[編集]-[演算・集計]-[ヒストグラムの
生成]を実行します。
今回はキーフィールドは使用せず、「対象フィールド」を
「@LEN」(点間隔)、最小値・最大値を適値算出し、
10階級に分割する設定で【OK】をクリックします。
[ヒストグラムの作成]ダイアログボックス
②指定した階級幅で度数分布表のデータベースが作成され
ます。
「Range」フィールドは階級幅、
「Count」フィールドは度数を表します。
ます。
「Range」フィールドは階級幅、
「Count」フィールドは度数を表します。
度数分布表データベース
③作成した度数分布表をExcelにエクスポートすることで、
グラフ化してヒストグラムを作成することができます。
グラフ化してヒストグラムを作成することができます。
ヒストグラム
LASの標準化に伴い、データの精度評価の需要は高まっていくでしょう。
PC-MAPPINGでは今後もLASをはじめとした点群データへの取り組みを進めていきます。
PC-MAPPINGでは今後もLASをはじめとした点群データへの取り組みを進めていきます。